そんなデートをしても隆司との会話の中でよくゆうタンと今日子の話題がでていた。



『そういえばさ~俺、慎二から聞いたんだけど、昼間サプライズで今日子とゆうタンのところに行ったんだって。』

『うんうん』

『そしたら、後ろからパンツ一丁でゆうタンが出てきたんだってさ。』

『まじで!服着ろよ(笑)』

『まったく昼間っからなにやってんだよ~』

『ほんとほんと、で、頭にあの帽子もかぶらなきゃ!』

『そそそ、今日子もハンドミキサー首からぶら下げておけよ(笑)』



あたし達は、あ~でもないこ~でもないと過去の二人の事を皮肉交じりに批判しまくった。



なのに…


なのにあたしは隆司と遊びに行っても何故か出かけた先で


『ここにゆうタンと一緒に来たらどんな感じかな…』



などと、勝手にその光景を頭に浮かべて想像を膨らませ…


そして、


何でこんな事考えてるんだろ?
あたしは今、隆司の彼女なのに!


と、その想像を何度もグチャと揉み消していた。




あたし達が会う時は必ず隆司が九州から新幹線で大阪まで出てきてくれる。


でもあたしは一度も九州には行こうとはしなかった。


今考えれば、切に会いたいと思わなかったから、時間を裂いてでも九州の隆司の元に行こうとしなかったからかもしれない。


ゆうタンには会いたくて会いたくて仕方なくて、忙しい中でもなんとか都合を付けて群馬県まで会いに行ったのに…




いつも心のどこかにゆうタンが居た…