拓也の仕打ちは尾を引いた。


あたしの写真を持ってお店に来た男は一人だけじゃありませんでした。


忘れた頃に一人
また一人…

結局は五人、同じようにやって来た。


だけどあたしは、それを逆手に取って訪ねて来た【男】をカモ、つまり常連客にして、それを踏み台に荒稼ぎました。


『この子とヤレるかも』


と、客に期待をさせギリギリのところまで持っていくけど絶対に寝ない。

そうすると客は次こそはと期待を持ち、またお店に足を運ぶ。

そんな風に疑似恋愛でその気にさせあたしは指名を増やしていった。


本気になって婚姻届けを持って来る男、ペアリングに名前を彫って持って来る男、プレゼントを両手に抱えてくる男。


どれもこれも、あたしには人間に見えなかった。

ただのお金儲けの道具としか思えなかったのです。


汚い男なんかに絶対に負けない。


そしてあたしは男達を操ってお金を絞り取る事に生き甲斐を感じるような悪魔のような女になっていた。


汚い男より、もっと汚い女。


そんなあたしでした。