拓也と初めて会ったのは大阪市内の某ホテルのレストラン。


あたしが働いてたキャバクラの友達がお客さんに食事に誘われて、友達も連れておいでって事であたしも一緒に行ったんです。


レストランに到着すると男性が二人待っていた。


その一人が拓也。


『ほら、こっち座って。』

『おじゃましま~す♪』


あたしは拓也に促がされ隣の席についた。


色とりどりに飾られた料理が次々にテーブルに運ばれる。


どれもこれも芸術品のようなお料理だ。
あたしはセレブな気分を味わった。


拓也はあたしの3歳年上。


食品関係の会社社長でそのレストランの食材を扱っているそうです。


その他に飲食店もいくつか経営していて、テレビのグルメ番組でそのお店を何度か見たことがあった。


拓也はあたしに至れり尽せりでした。


デートの時は必ず家まで送り迎え。
車も何台か所有していて、もちろん高級車ばかり。


見た事も無い大きな左ハンドルのオープンカーの後部座席にバラの花束を乗せて迎えに来てくれた時は、


『外国映画みた~い!』


と、さすがにあたしは驚いた。


食事はいつも高級なレストランや料亭などなど。


とにかく金回りが良かったので、拓也の内面を見る事もせず、ただお姫さま状態のままであたしは拓也と付き合っていました。


そんな中、あの忌まわしいし出来事が起きたのです。