何か体の上に重みを感じて目が覚めた。



元夫でした。


『な、なに?!やめて!』


抵抗するあたしの腕を押さえ付けあたしの体を求めてあたしの衣服を剥ぎ取る元夫。


『すぐ終わるから』

『いや!離して!』

『少しぐらい我慢しろ!』

『やだ!!』



泣いても叫んでも暴れても、元夫にとってあたしの抵抗する力は時計の針の動きを指で制止させる程簡単なものだったのです。



『いやーーーーーーー!!!』



あたしは元夫の性欲を吐き出すだけの…

その為だけの玩具にされた。



『ひどい……なんでこんなこと…』


泣きじゃくるあたしの事を見ても元夫は悪びれる様子もなく、


そして…



『はい、これ。』


そう言ってあたしの右手にしわくちゃな五千円札をにぎらせて、自分の子を宿した新しい女の元へ帰っていった。



こんなお金いらない……

汚い!

汚なすぎる!!



あたしはその五千円札を灰皿に入れ火を付けた。


燃える炎をじっと見つめながら



助けて…

だれか…

助けてよぉ…




…ゆうタン…



そう思ったけど、すぐさまその思いを打ち消した。



灰皿の中には…


悔しさと絶望感という名の、燃えカスだけが残っていた。