数日後、ゆうタンが群馬に帰ってく日がやってきた。
見送りに行く為、ゆうたんと待ち合わせ。


お茶しながらゆうタンは、


『落ち着いたらまた大阪に戻って来る』


って話すけど、どの言葉も全て作り話なんだと思いながら聞いてた。


そしてゆうタンはあたしの両手をにぎりしめて一言…



『絶対に結婚しような』



その言葉はまるで地球の裏から聞こえてくるのかと思うくらい、とても遠くに聞こえた。


それは、本心ではなく置き去りにしていくあたしに対しての最後の優しさだったのでしょう。



『うん……』


あたしは、ゆうタンを見つめて答えた。


こんな不確かな結婚の約束。

この先に確かなものなんて、何一つ見えやしないのに。



そして、大好きなゆうタンを乗せた新幹線が見えなくなってホームに立ち尽くすあたしは、


もう二度とゆうタンに会うことないだろう…


そう思ったのに不思議と涙は出なかった。


きっとこんな日が来るのを心のどこかで覚悟してたからかもしれない。



あたしは、寒さで凍える手をポケットの中でギュッと握りしめ、別れの言葉をゆうタンに告げようと決意したのでした。