『もう帰るの?』


ゆうタンがあたしを抱きしめて言う。


『ごめんね、帰らなきゃ。』

『やだ。』

『ごめん……』



あたしはゆうタンの腕の中から、後ろ髪を引かれながらもすり抜ける。



18歳の男の子が遠い群馬からまったく友達の居ない大阪に出てきて、きっと孤独感もあったと思います。


唯一のあたしとも思うように会えない。


おまけにあたしは、何でも自分で判断してゆうタンには頼ろうとしない強い女。
可愛げがない。


徐々にゆうタンは、東京の今日子と連絡を取り合って仲を深めていくようになった。


今日子はよく泣く女の子で、人に甘えるのが上手な子。


夜事電話で話を繰り返し、次第に気持ちがそっちへ移っていったようです。


それと同時に隆司からも今日子との仲は既に冷え切ってると聞かされた。



あたしに対して陰のあるゆうタンを見て


もうダメかな…


そう実感しました。