『ねえ!しいたん!』


美紀が目をキラキラさせてあたしに話しかける。


『どうしたの?なんか美紀嬉しそうだね。』

『でしょ!でしょ!』


お店の待機席でいつもの女子トークが始まる。


『実はさぁ~!今週末合コンするんだけど、しいタンも参加しない?』

『合コンかぁ~…あたしはいいやぁ』


だいたいいつも美紀の言い出す合コンは、みんなでワイワイ飲み会という要素より、ガッツリ彼氏をGETする肉食女子の為の合コンだ。

あたしにはゆうタンがいるから、今そんな合コンは必要ない。


『えー!いつものしいタンじゃなーい!』

『そ…そう?』

『さては…新恋人出現か~?』

『ん~…まぁね…』

『おお!!マジで!!どんな人?どんな人?』


もうホント女子は恋バナ好きなんだから。

あたしはどちらかというと自分の恋愛話を人と話したりしない方だけど…


でも、今回ばかりは大好きなゆうタンの事を自慢したくなった。


それに大阪にいた頃のゆうタンの事をほんの少しだけ美紀には話していたし。


『前にこっちに居た12歳年下の…』


あたしが言い終わらないうちに美紀が目を丸くして叫んだ。


『あー!あの群馬の年下くん!』

『そ…遠距離だけどまた付き合う事になったの。』

『なるほどねぇ~!』


なんだか嬉しくてついついのろけたくなっちゃう。


『それがね、1年半ぶりに再会したんだけど、ちょっと大人になってて惚れ直しちゃった♪』

『うひゃー!このコったら鼻の下伸びてるよ(笑)』

『うん!伸び放題だもん♪♪』


あたしは相当デレデレしていた。
まるで、恋したばかりの中高生だった。