「彼も可哀想よね。この先、一生この病院からは出られそうにないもの」 「……いつからここに?」 「私が配属されるずっと前からみたいよ。貴方もあの病室に入る時、ぬいぐるみの扱いには十分気を付けなさい」 看護師がひそひそと話しているその間にも、草野斗真と言う中年男性は小さく切り分けたハンバーグをぬいぐるみの口元へ運んでいた。 完。