「な、なに?」 ビックリして小指をひっこめようとしたけど、俺は逃さなかった。 「ユウはさ、もう兄ちゃんのものじゃないんだよね」 「えっ?」 「だったらムリにでも俺のものにするしかないよね。力づくでさ」 「何言っ――」 俺はまだ右手に持っていた果物ナイフで、ユウの首を横にスパッと切った。 鮮血がまるで噴水かの如く吹き出し、俺の来ていたグレーのシャツを濃く染めていく。