「……? 兄ちゃん、何かきこえ――」



 言い終わらないうちに、俺はユウの口を右手で抑える。


「まぁほら、母さんたちは仲良くしているわけだし、子供の俺達は寝よう!」


 ユウが頷いたのを確認し、俺は手を離す。


 さすがに両親のそんなやり取りなんて聞きたくもないので、俺は早々と眠りにつくよう努力した。


 今日はユウの初めてを奪えたわけだし、あんな顔も見れたし、大収穫。



 あぁ、ユウの兄ちゃんで良かった。