「なー! 俺身長のびたよ!」


 ある日の夕食、ユウが嬉しそうにそう言った。


「あら。どれくらいになったの?」


 サラダを取り分けてくれる優しい母さんの問いに、ユウは胸を張りながら答えた。


「ひゃく、ろくじゅう、ろくっ!」


「クラスの中では大きい方なのか?」


 新聞を折りたたみながら、父さんが問う。


「うーん。真ん中よりちょい後ろくらい?」