額を撃ち抜いた銃弾。
銃跡から流れ出る鮮血。
見開かれた瞳。
ピクリとも動かない身体。
「死んでいる」と理解できる筈なのに。
『あああっ!死ぬなぁっ!』
撃たれた足の痛みも感じない程に、冬真は腕を動かし続けた。
それを嘲笑う戸羽信孝。
何故、慎也は死ななければならない?
何故、仲間を殺さなければならなかった?
何故、自分を信じて頼ってくれなかった?
何故、変化に気付けなかった?
全ての元凶は…
今、冬真の目の前にいる。
『戸羽ぁあああっ!』
『おっと…!俺は恨まれるような事はしてないぞ?全部夜切が先走ってやった事じゃないか。此方の正体まで明かしやがって…迷惑してるのは俺だ。』
『お前がっ!お前が慎也をたぶらかしたりしなければっ!』
『何を言ってるんだ。単なる可能性を話しただけだ…、裏社会なんてそんなもんだろ?誰が裏切りを働いてもおかしくない…。えらく取り乱した様子は笑えたがな。』
『貴様っ!!』
『あいつが自分じゃ仲間を殺せないって言うから…。死んだフリして仲間にやらせたら良いと、冗談めかして言ったら本当にやりやがったよ!クククッ。おかげでお前等組織は壊滅寸前。願ったり叶ったりだ。』
『……許さん……許さんっ!』
『あぁ?……今のお前に何ができる?撃たれてるんだろ?…あの馬鹿がちゃんと殺さないから俺がケツ拭かなきゃなぁ…?すぐに楽にしてやるよ。』
信孝が銃を構えようとする。
冬真は忍ばせてある銃をそっと握り、タイミングを図る。
――奴よりも早く、奴よりも正確に撃つんだ。じゃないと殺られる!
『………………………無駄だ。』
ドンッ!!
『ぐぁああああっ!!』
やはり、撃ち慣れていない冬真では敵う相手では無かった。不自然に動いた冬真の右腕を、信孝は素早く撃ち抜いたのだ。
撃たれた反動で、持っていた銃が手の届かない所まで飛んで行ってしまった。
足にも腕にも激痛が走る。
今すぐ死ぬような場所を撃たれた訳では無いが、先程撃たれた足の傷もある、放っておけばいずれ出血多量で死ぬだろう。
――クソっ…ここまでか…。
『悪いが俺も忙しいんだ、あまり時間をとらせないでくれ。……じゃあな、あの世で夜切に宜しく伝えといてくれよ、ご苦労さんってな。』
信孝が引き金に指を置いた。
