株式会社「C8」





誰かが裏で操作しているのは明白。

冬真のフリをして指示を出したのは誰か?それも、冬真本人がすぐに気付く事を敢えてしている。雅が意図的に嘘を言ったのか、翼が何か関与しているのか。


慎也が裏で操作しているなら…。

冬真自身に気付かせる為に…?


慎也は一体何処にいるのか…。意図的に事を起こしているとしか考えられない。


現時点で、冬真は浩子や八代に慎也が生きているかもしれない事を伝えるべきか迷っていた。

八代はともかく、浩子は酷く混乱するだろう。

それに……。

この時、雅と翼を覗いた他のメンバーとは連絡が取れなくなっていた。何か嫌な予感がする…。

念の為、浩子と八代はしばらく事務所に出入りしない方が良いだろう。適当に理由を付け、休暇としてどこか遊びにでも行かせておくべきだ。


そして、冬真が次の行動に出ようとしていた矢先、翼が何者かに殺された。銃殺だった。

犯人はすぐに雅だと分かった。何故なら、彼女は人を銃で撃つ時に癖が出る。生前の慎也がいくら注意しても直らなかった癖だ。

それは撃つ場所。彼女は必ず胸の真ん中と首の二ヶ所を狙って撃つ癖があった。

翼の身体にも、胸の真ん中と首にきっちり一直線上の銃痕が見受けられたのだ。

雅と慎也は繋がっている…。

しかしそれが分かった二日後、雅も何者かに殺されていた。自宅で毒を盛られ倒れていたのを彼女の妹が発見している。


裏で操作しているのは、慎也しか考えられなくなった。連絡の取れなくなった他の三人も恐らく殺されているだろう。

初めは二つの仮定の一方として、今回のクライアントの関与も疑ったが、慎也は暴力団を酷く嫌っている。依頼に私情を挟むような事は無いが、彼等とリンクしているとは考えにくい。遺体の保管場所もメンバー以外は誰も知らなかった為、その選択肢は切り捨てていた。

単独で何かしようとしているのだ。

浩子と八代を逃がして正解だった。メンバーの五人がやられている。もしかすると冬真の身も危ないのかもしれない……。


ふと、冬真は事務所にある慎也のデスクが気になり中を調べてみた。出てきた物の中で気になったのは一枚のメモ。


『11月7日22時、港倉庫、戸羽』


――戸羽?八代の事か?


7日は明日だ。やはり、慎也は生きている。

これが罠なのか何なのかは分からないが、慎也の居場所の手かがりが無い以上、行ってみる価値はある。