「とか言って、尊敬してるって言ってたよね。」
「まあ、筋は通すからな。」
「…今年の花火大会はメンバーの皆に協力してもらって強制連行させようか?」
「は?何でそんなこと…」
「…………八代ってツンデレだよね。」
「会話が噛み合ってね-よ。」
録音していた分の盗聴器の確認を終えた皐月は、私物のノートパソコンを抱えて立ち上がる。さすがに暑さの限界が来たのか、三階へ上がる様だ。
盗聴器のリアルタイムでのチェックは、デスクに完備しているパソコンに回線を繋いで行っていたのだが、この暑さには耐えられず三階でもチェックできる様わざわざ私物のノートパソコンに回線を繋ぎ直したのだ。
皐月に続き、八代も外階段へ出る。
路地裏のむわっとした暑さの中、冷気の漏れ出る三階へと上がりドアを開けた。一気に身体が冷やされる感覚に二人は歓喜の声を漏らす。
ソファーに腰を下ろし、寛ぎ始める八代と多少の雑談をしながら皐月はノートパソコンを開いて盗聴器のチェックをする。
室内に入って来た二人に気付いていない浩子はデスクに座って誰かと電話をしている様子。面倒臭そうな表情をしているあたり、皐月にはおおよそ相手が予想出来た。
「煩いですねホント…要件は何なんですか?こっちは貴方ほど暇じゃないんです。」
『私とて暇では無い、貴様等のような犯罪者の塊には分かるまいが毎日毎っ「良いから早く仰って下さい。」
『…夜切っ……!』
「要件無いなら切ります。」
『…要件ならある。夜切、貴様また私の息子に変な仕事を押し付けたんでは無かろうな?やっと此方に帰って来たと思ったら、荷物をまとめてすぐに出て行ってしまったではないかっ!』
「……。そんなに息子が可愛いなら彼に対して変な態度を取るのはやめて仲良くしたらどうですか。」
『煩い、良いから答えんか!』
「……泊まり込みの依頼です。」
『何だと!?貴様私に何の断りも無く…』
「貴方はウチの会社の何なんですか。いい加減にして下さい。彼の居場所なら教えて差し上げますから、もうあたしの仕事の邪魔しないで下さいね。」
貧乏揺すりで彼女の身体が揺れている。すぐに電話は切ったのだが、しばらくその揺れは続いた。
