車は別のビルの駐車場へ停め、浩子はハトヤマ本社の裏口へ回る。もちろんロックが掛かっており、パスワードが必須だ。
『パスワードは、807255。入ってすぐ右上に監視カメラがあります、なるべく同じ右側を壁に沿って進んで下さい。』
「了解。」
皐月の指示の元、ロックを解除して社内へと侵入する。何が有るか分からないので銃を片手に壁際を走り抜ける。
八代と同様に、このスリルは病み付きだ。
直線を真っ直ぐ進むと正面入り口が見えてきた。受付もある。
『止まって下さい!正面玄関には監視カメラが全部で三台あります。一つは受付に、玄関入り口の両端に一台ずつです。』
「どう動く?」
『受付の裏に僅かですが隙間がありませんか?』
「ある。」
『そこを進んで、右手に階段があります。そこを上がって下さい。』
「エスカレーターは?」
『フロアの真ん中を突っ切るのは危険です。階段でお願いします。』
受付の裏にある隙間は狭い。浩子は怪訝な顔をしてそこを横に進む。
難なくすり抜けられたのは、ハードな仕事の為太ることが無いからだ。彼女少しホッとした。
階段をかけ上がり二階に到着する。このフロアには二つの部所がある。販売部と企画部だ。
『ここからは警備員にも気を付けて下さい。まずは左の通路を進んで販売部に行きましょう。』
足音を立てないように通路を進む。すぐに鉢植えに仕掛けられた監視カメラがあったが、皐月の指示でそれをかわした。
硝子の仕切りの向こうにある空間が販売部。パソコンを乗せたデスクが陳列している。
『販売部に入ってすぐの右上、そして一番奥の左上天井に監視カメラがあります。右側の壁際を進んで、奥から三台目のコピー機の影とデスクを利用して左の壁際に移って下さい。』
浩子の目に、いかにも部長や課長が座っていそうなデスクが映った。一番奥にある。恐らく販売部の社員リストと履歴書があるのはそのデスクだろう。
左側の壁に移り、壁際を進んで監視カメラの真下まで来た。
『良いですか?今から真上の監視カメラを切ります。一分しかもちません。入り口のカメラは作動してますから頭を上げずにデスクを調べて下さい。いきます……スタート!』
