株式会社「C8」







皐月はハッとして手を止めた。



za n ne n


「…ざ…ん……念、…だとっ!?」



どういう事だ?全てが完璧だった筈。



「……!」



真っ黒の画面がパッと切り替わると、画面一杯に不気味な仮面が映り、赤い文字で「GAME OVER」と表示された。



「コイツッ!!」



はめられたのだ。「kuro」の意のままに。画面の中の仮面は、皐月を嘲笑うかのように笑っている。

一体何をどこで間違ったのか。否、最初にCHMの管理システムにハッキングした時からどこか簡単にいき過ぎていた。しかし皐月はプロだ。そんな簡単に過ちを犯す筈が無い。

だとすると、二重ロックはダミー?



「どうなってるんだっ…」



そんな筈も無い。確かに二重ロックは本物だった。

だとしたら…



「やっぱり、「kuro」は向こうにいる。」



二重アクセスによる誘導だったとしか思えない。パスワードのアルファベットもすぐに出てきたし、残り時間もまだ残っていた。罠としては難しくても、答えがすぐに弾き出されては罠の意味が無い。今日やその以前から仕掛けていた物では無いという事…。

つまり、皐月と同時進行で攻防をしていた…。


カタカタ…カタカタカタ…


「…!?」



すぐにまた画面が切り替わる。

先程と同じ画面に戻ったのだが、緑色のコードが勝手にスクロールして行く。



「ハッキングされてるっ!「kuro」だっ」



皐月はすぐにプロテクトをかける。急がないと此方の居場所が特定されてしまうどころかパソコンの中身を全て奴に渡してしまうことになる。

組織がバレる。そんなことあってはならない。

パソコンにある情報全てをブロックして行く皐月。だが、相手も凄いスピードで掻い潜ろうとしてくる。また、攻撃も怠らない。悪性のウイルスを送り込んで来た。


カタカタカタ…
カタカタカタ…


それでも皐月はすぐに全ての情報を外部から遮断した。後はウイルスを破壊して、奴を電子回路に閉じ込める為にキーボードを叩く。

「kuro」は危機を感じたのか、ウイルスを送り込むのを止め脱出を図る。



さあ、ここからが皐月の大逆転をかけた勝負だ。