「最近、一緒にいても、全然楽しそうじゃないし。…私もだけど。」


付き合いだした頃と変わらず、学校帰りは手を繋いで帰っているけど、

さほど盛り上がりもしないし、イチャイチャしたりもしない。


別々に帰ることも、少し増えた。


「そろそろ…潮時、なのかな?」

「え?」

「……別れよっかな…?」


教室も廊下も派手に飾られた校内。
メイド服や浴衣、着ぐるみを着た人。
見知らぬ大人や子ども、他校の生徒。


多くの人が歩くキラキラした場所を、私1人だけ、暗い顔をして歩いている。


「拓磨は、私と別れたいって思ってるんだろうな。」

「陽菜…。」