「高校最後の文化祭だっていうのに、私なんかと一緒にいていいのー?」 そう聞いてきたのは、親友の莉沙。 「いーのいーの。」 10月初旬、澄んだ青空と爽やかな風に包まれている。 今日は文化祭。 うちの学校で最も盛り上がる行事。 「拓磨くんとまわらなくていいの?」 「いーの。拓磨も友達とまわる方が楽しいでしょ。」 「そうかなー?」 去年の文化祭は拓磨と2人でまわったけど、今年は違う。 「一緒にまわる?」なんて、聞かれもしなければ、聞きもしなかった。