「いつまで寝てんだオラァッ!」

倒れたままの夏彦の腹を蹴り上げる暴走族。

「ぐっ!」

彼も学ランに負けず劣らず強烈な打撃だ。

床を転がって距離をとろうとするものの。

「何逃げてんだオラァッ!」

囲んでいたギャラリー達が、夏彦を蹴って押し返す。

先に述べた通り、夏彦にとってこの場はアウェーでしかない。

ギャラリーさえも敵。

四面楚歌と呼ぶに相応しい。

何とか立ち上がった夏彦の顔面に。

「っしゃらぁっ!」

暴走族の右フック!

立て続けに打撃を食らい、よろめきながら後退するものの。

「オラ行けよ!」

またもギャラリー達に押し返される。

フラフラと前に出た所で。

「がはっ!」

暴走族の膝蹴りを、鳩尾にまともに食らった。