学ランを倒してホッと一息ついた直後。

「っらぁっ!」

いきなりの側頭部への打撃で、夏彦は為す術もなく床に転倒する。

「何ボケッとしてんだ兄ちゃんよぉ、もう第2ラウンド始まってんだぜぇ?」

見上げると、暴走族が夏彦を見下ろしてニヤついていた。

ゴングも開始の合図もない。

彼らに有利な条件の地下闘技場。

夏彦にとって、この場はアウェーでしかない。