が。

「場所ならわかる」

耕介が俊平の制服についた汚れを見た。

所々、何かの液体のような汚れがついている。

「この液体…工業用のシリコーンだ…鉱油系が適用できない低温高温、溶剤の存在下、耐油性が劣る材質の潤滑に使用される…」

「それが…どうかしたんですか…?」

首を傾げる雛罌粟。

「このシリコーンを製造していた工場が、昔この近くにあったんだよ…今じゃ倒産して廃工場になってるがな」

「成程、そこがこの掲示板で語られている地下闘技場…!」

夏彦の言葉に、耕介は頷く。

耕介はその知識と観察眼で、地下闘技場の場所を特定したのだ。