「いたっ…いたたたっ…」

「ごめん、ちょっと我慢して」

冴子が俊平の傷の手当てをする。

腫れ上がった顔、腹部や胸部の打撲、打ち身など、殴られた事を示唆する傷多数。

学校では『我が校の最底辺』と揶揄され、イジメの対象とされている俊平。

しかしここまであからさまな暴力を受けているのを見たのは、同じ学校の冴子でさえ初めての事だった。

まるでリンチを受けたような怪我だ。