迂闊に姿を見せれば戦闘になる。

多勢に無勢。

しかも省吾には一切の援護はない。

無駄な戦闘はできるだけ避けなければならない。

感情に流されては自分の身を危険に晒す事になる。

そんな事は分かっていた。

省吾とて元軍人だ。

クールに徹しなければ戦場では生き残れない事は重々承知している。

それでも撃たずにはいられなかった。

笑いながら民衆を殺すこの外道達を。

そして助け出さずにはいられなかった。

こんな外道達の中で日常的に虐殺の片棒を担がされるアリッサを。