身を隠し、息を潜めて。

省吾の隠密活動は続く。

壁際に隠れ、片膝をついて向こう側の様子を確認する。

政府軍、反政府軍、どちらの兵もいないのを確かめてから。

「っふぅ…」

省吾は深い溜息をついた。

日常とは異なる状況下での行動。

戦場というのは特殊な精神状態を強要する。

常に死と隣り合わせの状況下。

歩く事でさえ、細心の注意を払わなければならない。

足音、敵兵の視線、物音一つさえ死に直結する場所。

神経をすり減らしながら、戦場での行動は続く。