少年から奪い取った銃を向け、仰向けに倒れた少年を制する省吾。

結論から言えば、セイフティがかかっているという省吾の発言も嘘である。

セイフティはかかっていなかった。

戦場ではこういった騙し討ちも、敵の油断を誘う為のテクニックなのだ。

「き、汚いぞ!騙すなんて!」

涙ぐみながら叫ぶ少年。

省吾は鼻で笑う。

「戦場(ここ)はそういう場所なんだ、汚いもクソもない…他人に銃口を向けるなら自分も殺されて当然と思え。それが嫌なら…」

省吾は手にした銃を早業で分解し、少年の足元に放り投げる。

「さっさとこの国を捨てて平和な土地に行く事だ…ガキに戦争は似合わん」