真面目な夏彦らしからぬ話だと思われるかもしれないが、彼はこの夏休み、賞金稼ぎの仕事の方が忙しかった。

彼の賞金稼ぎの仕事が忙しいという事は、叩かなければならない悪党が多いという事で、あまり喜ばしい事ではないのだが。

ホラーめいた建物に監禁されたり、婦女暴行集団を叩きのめしたり、殺人鬼の少女と戦ったり、知り合いの女子高生を誘拐した運び屋と対峙したり。

普通の大学生では考えられないハードな夏休み。

そりゃあレポートをやる暇もないというものだろう。