BMW735iは一般道を抜けて高速道路に差しかかろうとしていた。

ランプ(傾斜路)を昇って高速へと上がっていく車。

「高速道路の利用料金ってのも、運び屋の報酬に含まれるのか?」

「別料金に決まっているだろう」

耕介の素朴な疑問に、省吾が答えている時だった。

「…渋滞か?」

ブレーキを踏み、省吾は停車する。

高速入り口の発券機はもう少し先なのに、こんなランプから渋滞が始まるとは。

盆の帰省ラッシュはもう終わった筈だが。