ソファに座って向かい合う耕介と省吾。

「実は運び屋の仕事を頼まれた。表の車で依頼人に頼まれた荷物を指定された場所、指定された時間に運ぶ仕事だ」

「つまり宅急便だな」

雛罌粟が淹れたアイスコーヒーを一口飲む耕介。

対する省吾は口すらつけないまま。

「ああ、宅急便には頼めん荷物らしいがな」

渋い顔で呟く。

即ち『ヤバイ荷物』という事らしい。

「中身は何なんですか?」

俊平が口を挟む。

耕介が『黙ってろ』と視線で窘めるが。

「わからん」

省吾は返答した。

「『中身は見ない』という条件で頼まれた仕事だからな」