そんな事を話していると。

「お」

耕介が窓の外に目をやる。

一台の車が事務所の前に停まった。

パールホワイトの高級車。

「BMW735iじゃねぇか。いい車乗ってんなぁ」

ヒュウ、と口笛を鳴らす耕介。

車から降りてきたのはスキンヘッドに近い黒髪短髪、ダークのスーツを着用した20代後半の男。

鍛え上げられた肉体を持つ大柄な男だ。

彼はそのまま事務所へと向かってくる。

「依頼人らしい…おめぇら話の邪魔すんなよ?」

耕介は椅子に座ったまま姿勢を正した。