「っっっっ…!」

屋上の手摺りにしがみ付き、愕然とした表情で爆発炎上する光景を見る耕介。

「これがお前の警護していた女のしでかした惨事だ」

後ろでレイノルドが言う。

「あの女は命令さえあればどんな事でもやってのける。重要機密の強奪でも、要人の暗殺でも、罪のない人間を虐殺するテロでも、何でもな」

「…当然だろ」

レイノルドに背を向けたまま呟く耕介。

「依頼を受けりゃあこっちの主義思想に関係なく仕事をこなす…プロってのはそういうもんだ…例え相手が工作員だろうが、警護しろって言われりゃやるさ」

「貴様…」

詰め寄り、耕介の肩を摑むレイノルド。

しかし耕介は。

「!!」

その手を跳ね除けた。