手の甲でナイフの軌道を逸らしつつ、回避を続ける耕介。

彼が素手での対ナイフ戦闘に慣れていると知るや。

「二刀流…検索…ヒット…ダウンロード開始…」

レイノルドはベルトにもう一本差しておいたナイフを左手で抜く。

左右二振りのナイフによる二刀流!

片方のナイフで横薙ぎしつつ、もう片方のナイフで耕介の喉を抉りに来る!

「くっ!」

歯噛みしつつ、上体を仰け反らせて回避する耕介。

流石に斬撃を捌く余裕まではない。

電子頭脳によって、戦闘中でも新たな技術技能を得て強くなる。

それがレイノルドの強み。

実質、彼に弱点は存在しなかった。