「輸血した人間の人格に支配されるって…」

絶句する冴子。

「そんな事、本当にあるんですか?ただの二重人格ならともかく…」

俊平も信じられないといった様子だが。

「事実だ」

事務所の入り口の方で声がした。

振り向く耕介達。

そこには夏彦が立っていた。

「ウェンディ・ティンカーベルには確かに殺人犯の人格が宿っている。凶悪で残忍で下卑た性質、ナイフの扱いに長けた猟奇殺人鬼の人格がな」