鼻血を垂らしてよろめく耕介。

「何しやがる…さては俺達をここに攫った犯人はてめぇか?」

「三流探偵だな、そんな推理じゃミステリーの主役は張れないぞ」

フットワークを駆使しながら、夏彦は言う。

「蓮杖 耕介…やっと思い出した。あんた組織の賞金首リストに載ってたよ…素行が悪く、依頼者や調査対象に暴力を振るう事もしばしば…てね」

実は夏彦の大学生という顔は表向きの姿。

裏の顔は友人達と共に作り上げた組織の『賞金稼ぎ』。

恋人を酷い手段で捨てた、部活の後輩をシゴキと称して痛めつけた、女性に対して集団暴行を働いたなどの行為を行った輩を独自に『賞金首』として扱い、仕留めていく。

「確かあんたの賞金は13万円…俺達の中では結構な高額だ」

「そんな端金でかよ」

耕介は顔を顰めた。