「いきなり殴りかかってくるんじゃねぇよ…カミサンの顔が脳裏をよぎったよ」

ゆっくりと立ち上がる耕介。

「へぇ…あんたみたいな不良探偵にも奥さんいるのか…なのに雛罌粟ちゃんみたいな子に手を出して…もっと奥さん大事にしてやれよ」

説教する夏彦に。

「ああ…結婚したらそうするさ」

ニヤリと笑いかける耕介。

「……」

前髪の奥、夏彦の視線が鋭くなる。

彼は。

「うぶっ!」

素早いステップから耕介の鼻面にワンツーのジャブを打ち込む!