その日はゲリラ豪雨という奴なのか、夕方から土砂降りの雨が降り注いだ。

日中は茹だるような暑さだったというのに、天候が気紛れで困る。

「…ふぅ…」

雛罌粟はコンビニの袋片手に蓮杖探偵事務所のドアの前に立っていた。

突然の雨に見舞われたせいで、制服のブラウスが濡れて透けている。

肌に張り付いて気持ち悪いが、助平な耕介相手なら、これはこれで誘惑できていいかもしれない。

そんな事を思いながら、彼女はいつものようにドアを開けた。