「ソイツだソイツ!俺の受けた依頼の家出小僧!」

スーツのポケットから出した写真と見比べる耕介。

写真よりは日に焼けているものの、写っているのは確かにこの少年だった。

「この野郎、家出して監視員のアルバイトで生活費稼いでるのかと思ったら…こんな悪さに手ぇ染めやがって」

「いててててっ!」

少年の髪を鷲摑みにして引っ張る耕介。

「そ、そんな事していいのかよっ!俺は未成年だぜ?大人が暴力振るったりしたら…」

一端の事を生意気にほざく少年。

「いいか?小僧」

耕介は前髪をグイと引っ張って少年を上向かせる。

「世の中モンスターペアレントにビビッて反論も出来ねぇガッコのセンセみてぇな大人ばっかりじゃねぇんだ…てめぇの奥歯が何本か折れてた所で、チンピラに絡まれてた所を俺が助けたって言うさ」

「そ、そんな事するなら訴えてやるからなっ!」

口だけは達者な少年。

「そうか…」

耕介はニヤリと笑う。

「じゃあまともに喋れなくなるように、歯ぁ全部折るか」

「~~~~~っっ!」

流石不良探偵、怖い。