蓮杖探偵事務所の飄々事件簿

と。

「聖園さんと石動君は放してあげて下さい」

落ち着いた口調で言うのは雛罌粟だった。

「相手なら私がしてあげますから…」

雛罌粟の言葉に、男達がオオッと声を上げる。

「マジで?」

「わかってんの彼女?意味理解して言ってる?」

顔を近づける男達。

煙草臭い息が吹きかけられるが。

「ええ」

表情一つ変えずに雛罌粟は頷く。

「セックス…したいんですよね?」

またも歓声を上げる男達。

「話が分かるよこの子!」

「10人以上いるんだぜ?全員相手してくれんの?」

「相手させるさ、自分からするって言ったんだからよ!」

競い合うように雛罌粟を引っ張り寄せる男達。

「あぁ…」

「雛罌粟さん…!」

冴子と俊平を助ける為に、雛罌粟は自ら犠牲になったのだと二人は思っているに違いない。

が、残念ながら雛罌粟はこのシチュエーションを内心悦んでいたりして。