道を挟んだ職場へ戻る前に、大学の隣にあるコンビニによった。
あいに心配をかけるといけないし、ちゃんと昼ごはん食べないとな・・・
そんなことを考えながら、手軽に食べられるものを買って職場へ戻った。
午後は外来の予約がない時は、科の部屋で過ごす。
そこで控えている手術の準備をしたり、その他諸々の雑務をこなす。
あとは入院患者の回診だったり、対応だったり・・・それなりに忙しく過ごす。
今日は午後の外来予約はないから、僕はそのまま心臓外科の自分のデスクでさっき買ってきたサンドイッチを食べながら、手元の書類に目を走らせていた。
そこに軽いノックの音がして、気軽な同僚の声が聞こえた。
「桐生、お疲れ」
「あぁ、お疲れ」
やってきたのは心臓内科で医師をしている同僚の矢野だった。
矢野とは同期で、外科と内科は違えど、同じ心臓系の医師だから、今も接点は多い。
同じ患者を内科医・外科医それぞれの立場で担当することも少なくなかった。
だから、こいつは友達と言えるくらいの関係だ。
職場以外ではたまに飲みに行くくらいだけど、お互い気兼ねなく付き合える友人の一人だった。

