巡り愛



「矢野君から圭が180度キャラが変わったって聞いていたけど、その変わりようはさすがに引く」


「勝手に言っててよ。別に第三者に何言われても気にならないから」


「・・・もはや私の知ってる圭とは別人だね」


呆れる北野さんとそれを気にも留めずさらっと言ってのける圭さんに私はますます顔を上げられない。


「さっきだって手なんて繋いで入ってくるし。昔の圭だったら女の子と手を繋ぐなんて考えらえなかったよね」


・・・え?


呆れ顔で続ける北野さんの言葉に、私は驚いて俯かせていた顔を上げた。


出逢った時から圭さんはすぐに私と手を繋いで歩いてくれたことを思い出して、あれ?っと思った。
「?」を浮かべて見つめる私に北野さんはにっこりと笑って、また私の驚くことを口にした。


「それに相手の様子にも基本的に無頓着で、心配するなんてこともほとんどなかったんだよ、この男は。ホントにいつも冷淡だったの」


圭さんが冷淡??


私の知ってる圭さんと一番かけ離れているその表現が理解できなくて、首を傾げて北野さんを見つめた。


「あいさんには冷たくて薄情な圭なんて信じられないかもしれないけど、今までの圭はそういう男だったのよ。まあ、それでも色々気を遣ったり、たまに地味に優しくしたりするから女はハマっちゃうんだけど・・・圭にしたらいい迷惑だったんだろうね」


「・・・・・その評価を否定するつもりはないけど、あんまりそういうことあいに言わないでくれるかな?」


不機嫌そうな声で圭さんが口を挿むと、北野さんは可笑しそうに軽く笑い声を上げた。


「いいじゃない。あいさんの前での圭が本来の姿なんでしょ。それくらいあいさんだってわかってくれてるわよ」


「ね?」と北野さんに声を掛けられて、私は笑顔で頷いた。


でも・・・本当のところはよくわからない。


だって、私が知っている圭さんは“あの頃”も今も思いやりが深くて、優しくて甘い・・・そんな人だから。