巡り愛



「はじめまして・・・って言うのは少し変かな?あの時の記憶が曖昧であいさんの顔をちゃんと覚えてなくて。あの時は本当にごめんなさい。圭にもあいさんにも迷惑をかけちゃって・・・本当にごめんなさい!」


北野さんは私をじっと見てそう言うと、勢いよく頭を下げた。
そんな北野さんに私の方が慌ててしまう。


「北野、あいが困ってるから顔を上げてよ」


慌てる私を気遣って、圭さんが困ったような声で北野さんに声を掛けた。


北野さんは顔を上げるとははっと少し気まずそうに笑った。


「僕達これからお昼食べるんだけど・・・」


「あ、そっか。邪魔してごめん!」


「あの、よかったら北野さんも一緒にどうですか?圭さんにお話があるみたいだし・・・あ、私がいない方がいいのかな」


圭さんの言葉にハッとした北野さんに思わず誘った私を、北野さんはびっくりしたように瞬きをして見つめる。
私の隣りでは圭さんが苦笑いを浮かべていて。
場違いなことを言ってしまったと思って、後悔した。


でも。


「え・・・いいのかな?お邪魔じゃない?」


「いいんじゃない。あいがいいって言ってるんだし」


北野さんは遠慮気味に聞き返してきたけれど、どこか嬉しそうで。
圭さんは「あいらしいよね」と優しく笑って私の髪をくしゃっと撫でた。


「ホントにいいの?」


「はい、私は全然構いません」


重ねて訊ねてくる北野さんに私は笑顔で頷いた。