巡り愛



高梨君の最近の行動にそんな意味があったなんて、全然気付いていなかった。


私はモテる方じゃないし、まさか図書館にやってくる学生にそんな風に想われているなんて、まったく想像もしていなくて。


今まで警戒心なんて持っていなかったけど、それじゃあいけないのかもしれないと思った。


中野さんが言うように、圭さんにも高梨君の気持ちがわかってしまったのなら。
それで圭さんに心配をかけてしまうのなら。
私はもっとちゃんと高梨君との距離を保たないといけない。


さっきみたいに髪に触れられて、私はびっくりしただけだけど、それを見た圭さんはきっと気持ちいいはずない。


もし逆の立場で、他の女の人が圭さんに触れているところを私が見たら・・・


想像するだけでも、胸がキリッと痛む。
圭さんに触れられたくないっていう嫉妬心でいっぱいになる。


さっき見せた圭さんのらしくない厳しい顔はそういう意味だったのかな。


そう思ったら、なにも気付けていなかった自分が情けなくて。
少しでも圭さんにそんな顔をさせてしまったことに、とても申し訳ない気持ちなった。




でも・・・・・


不謹慎だけど、圭さんが高梨君に嫉妬してくれたのかもしれないと思うと、心の隅で嬉しいと思っている私もいて。


『次は、ないからね』と高梨君に厳しい顔で言った圭さんを思い出して、私は無性に圭さんに会いたくなった。


大好きだって、愛してるのは圭さんだけだって今すぐに伝えたくて、堪らなくなった。