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圭さんからプロポーズを受けてから2週間と少しした週末。
今日は圭さんもお休みだから、まだ寝ている圭さんを起こさないようにそっとベッドを抜け出して、私は朝食の準備をしていた。
午後から2人で出かける予定があるけれど、午前中はゆっくりできるから。
いつも忙しい圭さんにはたまのお休みはゆっくり寝ていてもらいたい。
そう思って、できるだけ静かに準備をしていたのだけど。
思っていたよりも早く、圭さんが起きてきてしまった。
「おはよう、あい」
「おはよう。ごめんね、起こしちゃった?もっとゆっくり寝てくれていいんだよ」
キッチンで卵焼きを焼いている私のそばに来て、後ろから私の腰に手を回して抱き締めてきた圭さんにそう言うと、圭さんはコテンと額を私の肩に乗せた。
「うん、でも・・・寝ていられる気分じゃない」
そう呟く声が少し元気がないような気がして、私は焼き上がった卵焼きをお皿に移して、腰に回された圭さんの手に自分の手を重ねた。
「・・・圭さんもしかして、今から緊張してるの?」
私の訊ねた言葉に、圭さんははぁ~と深い溜息を吐いた。
「あいのご両親に会うのに、緊張しないわけないよ」
「大丈夫だよ。圭さんが気に入られないわけないんだから。かっこよくて優しくて、立派なお仕事にも就いてる圭さんをNOなんていう人、絶対いない。うちの親だって、大歓迎するよ」
圭さんがあんまり緊張していて不安そうだから、私は普段はなかなか言えないようなことをペラペラと力説するように言った。
すると圭さんは私の肩に頭を乗せたまま、クスッと笑う。
そして私の腰に回している腕に力を込めて、ギュッと強く抱き締められた。

