「え、な、なんですか?」
慌てて訊く私に中野さんはふぅーっともう一つ溜息を吐いて、肩肘を付いてじろっと私を見た。
「水瀬ちゃん、今、桐生先生のこと考えてたでしょ。やーだなぁ。幸せオーラ全開で、独り者には目の毒だよ」
「え、ええ?」
慌てるだけの私を中野さんはしばらくじっと見て、その後、急に吹き出した。
「嘘!あんまり幸せそうな顔してるから羨ましくなっただけ。ああ、でもホントいいなぁ。あんなイケメンでお医者様で、しかも水瀬ちゃんを溺愛してて・・・羨ましいなんてもんじゃないよ!!」
またテンションの上がった中野さんが大きな声を出すから、私は恥ずかしくなって照れ隠しにお茶を飲みながら視線を逸らせた。
“溺愛”なんて・・・・・
すごく恥ずかしいのに、すごく嬉しいと思う私の方こそ圭さんに溺れてる。
でもそれが本当に幸せなんだから仕方ない。
その後もお昼休み中、中野さんに質問攻めにあいながら、私は今感じている幸せを噛み締めていた。

