圭さんの甘い香りと胸の中の温もりにうっとり酔いしれていた私の髪を圭さんがひと撫でして、そっと体を離した。
離れていく圭さんの温もりが寂しくて、もっと抱き締めていてほしくて。
離れてしまった圭さんを見上げると、圭さんが困ったように瞬きをして苦笑した。
「そんな瞳(め)で見上げられると、欠片だけになってる理性が簡単に吹っ飛ぶんだけど」
「へ?」
圭さんから言われた言葉の意味がよくわからなくて、私は間抜けな声を上げて首を傾げた。
圭さんはそんな私にますます苦笑いを深めて、くしゃりと私の前髪を撫でた。
「好きな女の子を抱き締めてる時点ですでにギリギリなのに、そんな潤んだ瞳で上目遣いにじっと見つめられたら、理性を保つなんて無理ってことだよ」
「・・・・・・・」
私はその言葉に沸騰するほど、体温を上げて真っ赤になった。
ものすごく恥ずかしいことを言われたような、でも同じくらい嬉しいような・・・複雑な気持ち。
苦笑いを浮かべていたはずの圭さんは、そんな私を見て、ニヤッと口角を上げて大きな手のひらで私の頬を包んだ。
「あい、真っ赤だよ。ココも熱いし・・・照れてるあい、可愛い」
両手で私の頬を包み込んで、耳元に唇を寄せた圭さんは、艶っぽい声で囁くように言った。
その声と耳を掠める吐息に私はゾクリと甘い痺れに襲われる。
う・・・私の方が圭さんの色香に色んなものが吹っ飛びそうだ。

