巡り愛



「あいも僕も仕事があるから、別々に住んでいたら毎日一緒ってわけにはいかないだろ?今まではそれでも我慢できたけど、今はやっぱりキミと少しでも一緒にいたいから。だから帰る場所が同じなら、一緒にいる時間も増やせると思わない?」


私を見つめる瞳は真剣で、圭さんが冗談で言ってるのではないと伝わってくる。
圭さんの提案はとても魅力的だし、私も少しでも一緒にいたいと思う。


それに。


『帰る場所が同じ・・・』


私にはなんだかそれがとても特別で、とても素敵なことだと思えた。


大好きな人と同じ場所に帰れるってことは、すごく特別なことなんじゃないかな。
今までそんなこと思ったことも意識したこともなかったけれど。
今なら、その特別な意味がわかるような気がした。


「あい?」


黙ったまま、返事をしない私を圭さんは少し不安そうに首を傾げて覗き込んだ。


つい、思いがけない圭さんの提案に感激していて、返事が遅れてしまった。


「ご、ごめんなさい。突然でびっくりして・・・でも、あの・・・私も嬉しいよ。帰る場所が圭さんと同じってことも。それを圭さんが望んでくれることも」


「それじゃあ、僕と一緒に住んでくれる?」


「うん、圭さんと一緒に暮らしたい!」


自分から圭さんの胸に飛び込んでギュッと背中を抱き締めた。


嬉しくて、幸せで。
圭さんが愛しくて堪らない。


胸に飛び込んだ私を受け止めてくれて、圭さんも同じように強く私を抱き締め返してくれた。


鼻を掠める圭さんの甘い香りが、私の心を切なく甘く痺れさせた。