それからリビングまでのほんの短い距離なのに、2人で手を繋いで移動した。
なんだかくすぐったいくらい甘い空気に包まれていて、恥ずかしい。
でもその何倍も嬉しさの方が大きい。
「すぐにご飯の用意するから、待っててね」
「うん、ありがとう」
リビングのガラスのローテーブルの前に座った圭さんは着ていたジャケットを脱ぎながら、にっこりと嬉しそうな笑顔を見せた。
私は圭さんからジャケットを受け取って、ハンガーに掛けると、キッチンへ用意してあった食器を取りにいった。
テーブルの上に食器と一緒にサラダや簡単なおかずを並べて、もう一度、キッチンに戻る。
ちょうどそのタイミングでオーブンが切れる音がして、私はそれを取り出すと圭さんの待つテーブルへ急いだ。
「お待たせしました・・・ドリアなんだけど、大丈夫かな?」
テーブルの真ん中に焼き上がったばかりのドリアを置くと、圭さんは「うわぁ!」と感嘆の声を上げてくれた。
「お昼からドリア?豪華だね!」
「・・・重過ぎかな?疲れてるのに、もうちょっと軽い方がよかった?」
「ううん、僕ドリアとかグラタンとか好きだよ。ありがとう、すごく美味しそうだね」
圭さんが嬉しそうに笑ってくれるから、私も笑顔になった。
「「いただきます」」
2人で声を合わせて食卓を囲む。
そんなありふれた些細なことが、とても幸せだと思った。

