巡り愛



「でもね・・・矢野にすごく怒られた。あいの検査結果を見た僕の異常な様子に問い詰められて、矢野に前世の話をしたんだ。矢野は微妙な顔をしていたけど、もしそうだとしたら僕がもっとしっかりしてあいを守らなきゃいけないだろって。僕が一緒にいるせいで病気が悪化するとか、非現実すぎるってね」


その時のことを思い出しているのか、圭さんは自嘲気味だけど、声が少し明るくなった。
矢野先生は圭さんにとって、同僚のお医者様というだけではない存在なのかもしれないと、微妙に変わった圭さんの口調で、私はそう感じた。


「矢野に言われて気付くなんて情けないけど、僕もその通りだと思ったんだ。僕はあいに出逢うために生きてきて、あいを守るために生きてきたのに、いざその時に僕が不安がってちゃいけないって。けど・・・気付くのが遅かった。僕の不安があいに伝染して、結局、あいを苦しめたなんて」


少しだけ明るくなっていた口調が、また苦しげに揺れて聞こえて、私は圭さんの腕の中で大きく首を左右に振った。


「圭さんのせいじゃないよ」


「いや、僕のせいだよ。僕がもっとしっかりしていれば、あいを不安にさせることなんてなかった」


言葉を重ねる圭さんは本気で自分が悪いと思っているようで。
硬くした口調で、はっきりと言った。



でも私は圭さんの言葉をそのまま受け入れる気持ちになれなかった。


私を心配してくれる圭さんの気持ちも、不安になっていたことへの後悔も。
圭さんの想いを否定する気持ちはないけれど、圭さんだけが悪いはずがないと思った。