巡り愛



まず圭さんが車を止めたのは牧場だった。


広い敷地一面、緑の牧草が生い茂っていて、太陽の光にキラキラして、気持ちいい風に吹かれるその場所は、本当に気持ちがよかった。


車を降りて、自然と手を繋いでくれる圭さん。
そんなちょっとしたことに心がキュンとして嬉しくて仕方ない。


二人で手を繋いで緑の中を歩く。
天気のいい休日だから、私達以外にも家族ずれやカップル、友達同士のグループらしい人達・・・結構たくさんの人達がいて賑やかだった。


でも私達の間に流れるのはゆっくりとした時間。


とっても幸せを感じるこの時間が私を少しだけ積極的に変える。


「・・・どうしたの?」


私が繋いでいた手を一瞬、離して、繋ぎ方を変えたことに圭さんが驚いたように私の顔を覗き込んだ。


掌を重ねる繋ぎ方じゃなくて、指と指を絡める“恋人繋ぎ”。
そんな些細なことなのに、自分からそうしたことが少し恥ずかしくて、ドキドキしてしまう。


「イヤですか?」


「全然・・・すごく嬉しいけど」


頬を染めて、俯き加減で訊く私に、圭さんは本当に嬉しそうに吐息を零して笑った。


そのままの繋ぎ方で手を繋いだまま、自由に放たれているヤギに牧草を上げたり、ちょっと怖かったけど、放牧されている牛にも同じことをしたり。
二人で笑い合いながら、のどかなその時間を満喫した。