約1時間ほどのドライブ。
その間、私はハンドルを握る圭さんの横顔をドキドキしながら見つめていた。
他愛ない話をしながらも、前を見つめる圭さんはとてもかっこよくて綺麗で。
いくら見つめても飽きない。
それどころか、時間が過ぎるのも忘れてしまう。
「この車、ちょっぴりびっくりしました。圭さんがこういう車に乗るって想像してなかったから」
「そう?僕、結構、山とか行くの好きだから。この車ならどこへでも行けるでしょ・・・こういう車、僕には似合わない?」
「とんでもない!意外だけど、その意外性が素敵って言うか・・・かっこいいです」
ちょうど赤信号で停まったタイミングで、圭さんが私の方を振り返って首を傾げて訊ねるから、私は一際大きく鼓動を跳ねさせて、慌てて言った。
何だか自分の言ってることがよくわからなくて、恥ずかしい。
でも圭さんは私の言葉に満足したのか、ニコッと笑顔を深めると、私の頬へ掠めるようなキスをした。
一瞬だけのことなのに、私はびっくりして顔を真っ赤にして固まってしまった。
「あいに『かっこいい』って言われると、嬉しいよ」
そう言って口角を上げる表情は、色っぽくて大人で。
私は更に顔を赤くして、ドキドキと煩く鳴り響く鼓動を押さえるように胸元をぎゅっと握って俯いた。
「圭さん・・・・・反則です」
「ん?」
信号が青に変わり、何事もなかったかのように前を向きなおして、運転する圭さんに私はボソッと小さな声で呟いた。
聞き取れなかったのか、圭さんは視線は前に向けたまま、首だけ傾げて訊き返す。
『ん?』って言うその一音さえも、私の心を甘くする。
ホント、反則ばっかりだ。
圭さんは『二人でドキドキしよう』って言ったけど、絶対に私の方がその度合いが大きい。
しかも遥かに・・・・・
まだ数十分しかたっていないのに、今日は確実に心臓がもたなくなるなと、私は心の中で降参していた。

