魔法のキス


「えっ?じゃあ、施設が決まるまでの間は、家での介護が必要になるよね。その間だけでも、私も手伝いたい。だって雄馬のお父さんなんだもん」


「ありがとう朋花。施設に入れるのは、1年以上かかるっていう話なんだよ。病院のケースワーカーの人にも相談してみたんだけどね。俺が仕事してる間、お袋のこと手伝ってもらえると、ほんとは助かる。でも朋花に苦労はさせたくはないんだよね」


「とにかくやってみようよ。みんなで協力すればなんとかなるかもしれないし。やるしかないんだから」


雄馬が、私をギューっと抱きしめた。


「朋花〜。ただのお嬢様だったお前が、いつの間にこんなに頼りになる人間になったんだ」


「やだ、雄馬ったら。お爺さんが孫に言うみたいなこと言って。私は雄馬を愛してるし、おじさんもおばさんも、もうすぐ私のお父さんとお母さんになるんだから。当たり前のことなのよ」


「愛してるよ朋花。愛おしいよ。大事にするからね朋花のこと。朋花を悲しませたり苦労させることは絶対にしない。こうしてると、変な気分になるから、外に出ようか」